みなさんこんにちは。
お盆はゆっくりお過ごしになられたでしょうか?
クイズ
さて、早速ですがクイズです。
アメリカ西海岸の港湾労働者の方々の年収はどれぐらいでしょうか?
5秒前
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1
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終了~
正解は、年収約2千万円程と言われております。
それにしても、ものすごい高給取ですね
物価の高い西海岸と言え、もらい過ぎでは?
サンフランシスコの医者の年収とさほど変わり無いのですよ。
日本の港湾労働者の平均年収は530万となり、ほぼ4倍です。
この既得権益を守るために、6年に一度大きな労働争議が実施されております。
以下にて、詳細を解説して参ります。
ILWUとPMAについて
まずは、アメリカ西海岸の港湾労働組合の事をILWU(国際港湾倉庫労働組合)と言います。
ロサンゼルスを含むアメリカ西海岸の29港が加盟する約15,000人の労働者組合となります。
このILWUと雇用主であるPMA(太平洋海事協会)との契約が6年毎となっております。
労働環境の改善!!
またですか。。。。
6年に一度条件改善のために、ストを匂わせながら有利な条件を勝ち取って行くのです。
新規参入が困難な業界であり、また、今やアメリカの消費財の多くは中国を筆頭にアジアからの輸入に頼っている事から、アジアからの玄関口である西海岸のサプライチェーンを止める事はアメリカの経済を止める事と等しくなるために、毎回強気の交渉をしています。
過去の交渉経緯
ここで過去の交渉経緯を見て参りましょう!
年度 | 交渉状況 |
2002年 | 西海岸の29港が閉鎖された。大統領令が出るまでストが継続された |
2008年 | ストには至らなかったが、組合側がスローダウン戦術を取り港湾処理能力が著しく低下した |
2014年 | 新労働協約をめぐる労使交渉が紛糾し、荷役スローダウンなどによってサプライチェーンが大きな打撃を受けた。最終的には米国政府の介入により、15年2月に入って新労働協約に暫定合意 |
2019年 | 失効予定の労働協約を3年延長し、2022年の7月1日までと発表した |
2022年7月 | 現在の労働協約の失効 |
現在の所、交渉開始時期についての発表はありませんが、過去の経緯からは労働協約の失効から6カ月~1年前の交渉開始となっており、遅くも来年1月には交渉が開始されていると考えます。
サプライチェーンに与える影響
コロナでサプライチェーンは未だ安定運用されておりませんよね。
下記ロジニュースでもありましたが、いまだ西海岸の状況に改善が見られないです。
今後サプライチェーンにどのような影響が出ますか?
まず、労働協議の問題は今の所は、先行きに不透明感はあります。
一方、米国の需要はクリスマス前には一服はすると思います。
ですが、東南アジア諸国でのロックダウン状況には要注意です。
労働争議の問題の前に、まだまだコロナによるサプライチェーンの安定運用には不透明があると言う事ですね。
仮に労働争議がこじれた場合は、どのようなBCPを考えば良いですか?
コロナでのBCPと基本同じですね。
①航空機の利用
②東河岸の利用
ですが、①は未だ航空機マーケットでは運航数が少ない事から高額なチャータ機の利用は増えると思います。
因みに仮に港湾閉鎖が実施された場合は、アメリカへの輸入貨物だけなく、
アメリカからの輸出貨物にも影響しますよ。
過去に日本へポテトが輸入されない事で、マックのポテトがSサイズ限定となり、我々の生活にも影響しましたよね。
最後に
PMA側は港湾作業のグローバルスタンダードであるデジタル化オペレーションを目指しておりますが、雇用確保のためILWUは容易に条件を飲まないようです。
また、時代の流れから港湾作業のオートメーション化は避けられないと思いますが、港湾作業のオートメーション化の利権を得ようとILWUが主導でオートメーションのコントロールをする事も主張しているようです。
米国政府はサプライチェーンの低コスト化や、DX化による円滑な運用を目指していますが、ILWUの意見が強いため、毎回労働協議が紛糾しています。
本日は以上です。
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