みなさんこんにちは。
少しバタバタしており、ブログ更新が伸び伸びになり申し訳ありません。
理由は、これから書きますベトナム案件で、仕事がてんやわんやとなっていたのです。
いつもクイズです。
さて、いつもクイズです。
現在自動車メーカー各社は、半導体等々の自動車部品の入手に苦労されていますが、ベトナム・ホーチミンから特に入手困難な部品は何でしょうか?
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終了~
正解は、ワイヤーハーネスです。
自動車の隅々にまで、張り巡らされている電装部品です。
ベトナムロックダウンの背景。
みんなのロジニュース53で書きました、その後の続編となります。
<最新の物流情報>1分で読める!みんなのロジニュース53:ベトナムロックダウンの影響。自動車メーカーは大打撃。
ベトナムでは7月中旬からロックダウン(都市封鎖)を繰り返しながら、10月末には20日連続で新規感染者が2,000人を下回った事から、ロックダウンが緩和され企業の生産活動が回復しています。
下記のようにベトナム63省の内で26省が感染者が少ないレベル1(緑色)に分類される事になりました。
生産工場が多い北部ハノイはレベル1、南部のホーチミンはレベル2までに落ち着いております。
工場の生産活動が活発化。
このようなロックダウンの緩和により、最大で50%の出社制限は継続されるものの、工場での生産活動が活発化しております。
特に、南部ホーチミンではアパレル工場も多く、欧米のクリスマスに向けて生産が急ピッチで行われております。
ユニクロもこのホーチミンで多く生産されていますよね。
また、自動車産業に取っては、南部ホーチミンはワイヤーハーネスを中心とした、自動車部品工場の集積地となっています。
トヨタのランドクルーザーの納車が2年と言われている原因は、このワイヤーハーネスが調達困難となっている事が1つの理由なのです。
特に今年春先に発生した2つは自動車メーカーの生産に大きな影響となりました。
①国内の半導体工場の火災。
②米国の寒波による樹脂材の供給不足。
その上に、今年の夏から始まったベトナムを中心とする東南アジア諸国でのコロナ感染者の増加で、部品工場の生産に大きな影響が出ました。
ベトナムのワイヤーハーネス等々、マレーシアの半導体等々の生産が大きく遅延しましたね。
この部品調達難の影響は大きかったですよ。
自動車メーカーのサプライチェーンは大きく乱れ、国内工場の生産停止の影響は、更に自動車ユーザーへの納期に影響が出ています。
でも、ベトナムを始め部品工場での生産が活発になると部品調達も円滑に行われ、もっと早く納車出来るんじゃ無いですかね?
そう考えたいのですが、実は物流面の影響で、円滑に部品調達が出来ない状態となっているのです。
航空輸送のスペース問題が発生しているからです。
ホーチミン発の航空輸送スペースに大問題が発生!
元々ホーチミン発の航空輸送は貨物機が多く飛んでおらず、旅客便の貨物スペースであるベリー部分(腹部)の利用が殆どで、多くの貨物を運べない状況でした。
特にコロナ禍で旅客利用が激減し、多くの旅客便が運休される事となり、ホーチミン発の航空輸送スペースは益々減少する事となりました。
因みに、運休した飛行は砂漠地帯で保管されています。みんなのロジニュース③をご参照ください。
⇊
<最新の物流情報:無料ほぼ毎日更新>1分で読める!みんなのロジニュース③:航空機スペースが非常にひっ迫しています。今、世界で飛んでる飛行機は何機?
と言う事は、部品工場の生産が開始されても航空輸送のスペースが無いのですね。
はいそうなのです。
各フォワーダーは旅客便で補えない分は、プレイターと呼ばれる機材をチャーターし、部品メーカーへサービスを開始しています。
*プレイター:Passenger(旅客便)+ Freighter(貨物便)でPreighter
旅客便の旅客部分に貨物を積めるように改造された機種です。
凡そですが、ホーチミンから日本までのプレイター1機チャーターで3千万前後と言われており、1機で80~90M3ほどの貨物搭載が可能です。
じゃ、どんどんプレイターのチャーター便を飛ばせば問題無いですね。
やった~。納車が早まりますね。
実はそう簡単では無いのです。
現在は欧米のクリスマスシーズに向けて、航空輸送業界は繁忙期となり、アジアから欧米の長距離線にチャーター便の機材が取られ、短距離線には中々機材が回ってきません。
長距離線チャーターは短距離線の倍以上で買われますから、航空会社は長距離線に機材を回したいのです。
ホーチミン空港の貨物ターミナルの混雑
もう1つ問題があります。
ホーチミン空港では依然として作業員の出社50%制限があり、貨物処理が大変スローとなっています。
また、10月中旬まで輸出貨物の貨物ターミナルへの搬入カット時間はフライトの4時間前となっておりましたが、工場生産が活発化し、大量の貨物が貨物ターミナルに搬入される事となり、12時間前のカットが推奨される事となりました。
また、貨物ターミナルへ搬入後も作業員の出社制限の影響で、貨物搭載が円滑に行われず、予定フライトに搭載されないケースも多発しています。
一方、航空会社は貨物を多く搭載させる努力もしており、フライトの出発遅延も多発しています。
現在貨物ターミナルは多くの貨物が滞留しており、ミッシングも発生しており、
大混乱となっています。
このように大量に貨物が滞留している事から、現在ホーチミン空港から航空機への搭載は1週間前後は掛かっております。
12月の1週までは、欧米の繁忙期と重なり、更なるスペース悪化が懸念されます。
おわりに、今後の見通し。
今後の見通しですが、世界的な物流の乱れはあと2年程継続すると言われたり、1年程と言われたり様々で、正直先行きに見通しがつかない状況です。
1つ明るいニュースはコロナが沈静化し、旅客需要が戻ると多くの旅客便が砂漠の保管庫から復活しスペース供給が増加してくる事でしょうか。
一方、懸念点はやはり米国西海岸の労働争議ですね。 ⇊
<最新の物流情報>1分で読める!みんなのロジニュース55:2022年アメリカ西海岸の労働争議について
今後も激変が予想される国際物流ニュースを都度アップデートして参ります!
本日は以上です。
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