<最新の物流情報:無料ほぼ毎日更新>1分で読める!みんなのロジニュース⑳:貨物ダメージの保険の処理方法を解説。どのような保険を利用しますか?

物流一般

 みなさんこんにちは。
 さて、本日は国際輸送中などで潰れや水濡れ等々のダメージが発生した際の、保険処理方法を解説して参ります。
 問題です。保険処理の際には大きく分けて、2種類の保険の何れかを使用する事になりますが、その名称を挙げて下さい。

 正解は、①賠償責任保険と②外航貨物保険(もの保険)となり、何れかを使用する事になります。
 ①賠償責任保険は航空会社、船会社、物流会社が責任者となり、②もの保険は荷主が任意に加入し保険処理する制度となります。

 例えば、日本からアメリカへの航空輸出を行い、国際輸送中にツブレのダメージが発見され、製品が利用出来なかった場合ですが、
 まず①賠償責任保険の利用を検討します。
 ですが、①賠償責任保険は限度額があり、その限度額の賠償金では納得行かない場合は、②もの保険を利用する事になります。
 ②もの保険は強制では無く、荷主が任意で付保する保険となり、原則は国際輸送が開始される前に付保する必要があります。

 また、①賠償責任保険の限度額ですが、国際的な条約で定められており、輸送モード別の限度額は下記となります。
 *航空貨物:約3,000円/Kg
 *海上貨物:約10万円/1つの梱包または、300円/Kgの何れか高い方。
 *日本国内輸送:2万円/Kg
 尚、上記金額は最高額であり、輸送責任者(航空会社、船会社、トラック会社)は保険会社に確認させ、ダメージの内容次第では限度額以下の金額で賠償して来るケースもあります。
 また、経験上ですが、手続き後から入金まで半年以上は掛かってきます


 荷主様からしますと、輸送中に発生した損害は全て輸送責任者が保証すべきだ!!とのお考えもありますが、①賠償責任保険での限度額は決まっており、それ以外は自社で付保された②もの保険をご利用される事となります。
 航空会社や船会社等々の輸送責任者は国際的な条約である程度守られている事になります。

 また、上記の航空貨物と海上貨物の賠償責任額ですが、便宜上は円貨にしておりますが、条約ではSDRと言う独特な用語で限度額が明記されており、正確には下記となります。
 *航空貨物:SDR22.00/Kg
 *海上貨物:SDR666.67/1つの梱包または、SDR2.00/Kgの何れか高い方。
 尚、SDRレートは変動性でSDR1に対してUSD1.44となります。(2021年2月22日時点)

**最後に、下記にて①外航貨物保険と②賠償責任保険の違いをリストさせて頂きます。

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