みんさんこんちは。
アメリカではコロナワクチンの接種率が20%強となり、先進国では急速に接種が進んでおります。
ですが、開発途上国では政府のワクチン購買力が低く、未だ多くの途上国で配布されていませんが、どのように国民にワクチンを配布して行くか解説して参ります。
さて、いつものように問題です。
①開発途上国へのワクチンはどのように無料配布されるでしょうか?また、②開発途上国でワクチン配布1号となった国はどこですか?
正解は、①WHO等々がイニシアティブを取るCOVAXにより無料配布され、②最初の配布はガーナとなり2月21日に到着致しました。
今後その他途上国にも、ファイザーとアストラゼネカワクチンが無料配布予定とされております。
COVAXとは”COVID-19 Vaccines Global Access”の略称となります。
GAVIアライアンス(GAVI)、世界保健機関(WHO)、感染症流行対策イノベーション連合(CEPI)が主導しております。
ここで途上国への無料配布のフローを図と共に説明します。
まず、先進国が資金の提供元となり、途上国をメインにワクチンを無償配布して行きます。
先進国での資金提供元はアメリカをトップに日本は5位の貢献です。
ビルゲイツさんもUSD1.5億ドル(約170億円)とかなり貢献されており、頭が下がるばかりです。
因みに、中国は私の見る限りリストにはありませんでした。。
USD100万単位
さて、国際輸送業者としては、途上国へのワクチン配布の輸送品質管理が非常に気になります。
今回ガーナへのワクチン配布には、アストラゼネカ・オックスフォード連合のワクチンがインド血清研究所(SII)で製造されましたが、下の写真のカートン左上の温度指示を見ると15℃~25℃とあり、左下には直射日光禁止と見られるマークがあります。
ネットで調べるとガーナの2月の平均気温は最低26℃と最高31℃です。しかも直射日光に触れています。
本来ならリンクのみんなのロジニュース⑯にあります、保冷コンテナを使用すべきです。
<最新の物流情報:無料ほぼ毎日更新>1分で読める!みんなのロジニュース⑯:ワクチンの航空輸送コンテナの種類。アクティブコンテナ、パッシブコンテナって何?エンバイロテナーってどっち?
全くルール守って無い!!と言いたい所ですが、*GDPの概念も無いと思いますので、本当に輸送品質を疑ってしまいます。
(*GDPとはGood Distribution Placticeの略で、医薬品が製造工場を出荷した後、患者さんの手元に届くまでの流通過程における品質保証を目的にした基本的な指針です。)
また、トラックへの搭載はパレットでは無く、手でバラ積みしてますね。
空港到着時にはパレット梱包されていますが、なぜわざわざパレットを外すのか疑問です。
カートンは汚れますし、荷扱いが荒らければカートンへのダメージも気になります。
医薬品もアパレルや小麦等々と同じ取扱い意識ですかね。
医薬品は物流業界でも最も取扱い難易度が高い商品の一つですが、アフリカで物流品質を保つ事は容易では無いですね。
最後に、今回のアストラぜネカ品はインドのSII製造で温度管理がカートン表示から見ると15℃〜25℃と見受けられます。
リンクのロジニュース②で解説させて頂きました、厚労省発表の日本でのアストラゼネカ品の温度管理は2℃〜8℃です。
<最新の物流情報:無料ほぼ毎日更新>1分で読める!みんなのロジニュース②:ワクチンで航空貨物スペースが逼迫!!各社のワクチン供給量と管理温度は?
なぜ開発会社がアストラゼネカと同じながら温度帯がこれほど異なるか専門的な事は分かりませんが、インド製と言う事も有りジェネリック扱いになるのでしょうか?
ワクチンの効能自体は問題無いものであって欲しいです。
本日は以上です。
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